第253話文句を言う権利すらない

キャシーはセリーナの瞳に浮かんだかすかな嘲りの色を捉え、彼女が何を言わんとしているのかを即座に理解した。そう、自分はこの何年もの間、ずっとチェイスを待ち続けてきたのだ。これ以上、本当に待ちたくなどはなかった。

だが今や、彼女自身も――そして彼女の家族全員も――チェイスと深く絡み合いすぎていた。もはや単なる感情だけの問題ではない。そこには経済的な利害関係も絡んでいる。彼らはすでに、切り離すことなどできない関係になっていた。

キャシーはセリーナとは違う。彼女には、すべてを断ち切る勇気などなかった。

そう思うと、キャシーは両手をきつく握りしめた。まだ、セリーナにすべてを知られるわけにはいかない...

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